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映画保存 用語集

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映画保存 用語集

映画保存/フィルムアーカイブの領域では、従来のアーカイブズ学とも図書館学とも博物館学とも異なる独自の定義がなされていますので、注意が必要です。
欧米の映画保存学校などで教科書として採用されている主要文献(3件)から、ごく基本的な用語の定義をまとめました。
*作成:2011.02.14/最終更新:2012.06.06

○ Archives:アーカイブズ

○ Audiovisual:視聴覚

動的映像、音声記録、スチル写真など幅広い記録媒体を含む。

○ Moving Image:動的映像

「動的映像の保護及び保存に関する勧告」(文部科学省による仮訳)に動的映像とあり、この語には映画だけでなくテレビやビデオも含まれる。日常的には「映像」、「動画」が使されることが多いが、静止画像やアニメーションとの混同を避けるため、主に研究者が使用している。

○ Motion Picture:映画

参考文献:
1. エドモンドソン, レイ. 視聴覚アーカイブ活動:その哲学と原則. ユネスコ, 2004.Edmondson,Ray. Audiovisual Archiving: Philosophy and Principles. UNESCO, 2004.
2. フィルム保存入門:公文書館・図書館・博物館のための基本原則. 全米映画保存基金, 2006. The Film Preservation Guide: The Basics for Archives, Libraries, and Museums. NFPF, 2006.
3. ケルキ・ウザイ, パオロ. 無声映画入門. 英国映画協会. 2000.Cherchi Usai, Paolo. Silent Cinema, an Introduction. BFI, 2000.

1. 保存 /Preservation

かつては「複製」と《保存》とが混同されることもあったが、1990年代末頃からその意味するところが広がり、現在では、単発/単一の作業ではなく、進行形の永続的なフィルムアーカイブ活動の総体を指す。《保存》の目的は、映画フィルムの物質的な延命やアクセスの確保にある。キャリアの保全・複製・復元の原則、技術、実践はもちろんのこと、関連機材の維持管理、適正な条件下での映画上映、学術的研究なども含まれることがある。

2. 保全(保管、管理) /Conservation

《保全》とは、オリジナルのフィルム素材やその複製コピーの物質的な劣化を回避する、または最小限に抑えるための作業全般を指す。例えば、温度・湿度が制御されている収蔵庫(物理的な劣化を抑制するのに適した環境)への保管もここに含まれる。複製・復元と比較すると、オリジナルに対する介入は《保全》がもっとも少ないが、映画保存の大前提として極めて重要な役割を果たす行為でもある。

3. 複製 /Duplication

《複製》とは、オリジナルのフィルム(マスター)素材を保護するためのバックアップ、もしくは閲覧用コピー(レプリカ)を作成するための一連の作業を意味する。この作業は専門業者(現像所など)に委託されることが多い。映画フィルムには、物質的なキャリアとしての価値もあれば情報コンテンツとしての価値もあるが、コンテンツへのアクセス要求は、大抵の場合、《複製》によって満たされる。マスター素材に限りなく近い状態を目指す必要から、例えば埃・油染み・ゴミなど外的な要因をクリーニング作業で除去したり、ウェットゲート・プリントで傷を目立たなくしたりすることもある。しかし、それ以上手を加えることはしない。

4. 復元 /Reconstruction

《復元》とは、オリジナルのマスター素材を物理的に複製するだけでなく、ある特定の「版(バージョン)」を作成することを指す。同一作品のあらゆる(国内外の)残存素材を比較検討し、製作当時の記録や上映履歴に即してバラバラになった素材を順序正しく並べ直し、場合によっては経年劣化(乳剤やベースの化学的な変質、物理的損傷の影響)の修復のために「画」にも「音」にも手を加えることがある。常にオリジナルの「複製」を伴う点において、映画フィルムの《復元》は美術作品や紙資料のそれとは異なる。

5. 再構築 /Reconstruction

《再構築》とは、不完全な状態にある映画フィルムを、現代の観客/閲覧者に理解しやすくするための作業、要するに、オリジナルのありのままの姿へのこだわりよりも、〈「わかりやすさ」が優先される復元〉を指す。《再構築》版によっては、「画」も「音」もオリジナルとは大幅に異なる(改善される)ことがある。失われたインタータイトル(中間字幕)を新たに再作成するなど、断片の挿入・差し替え・再編集が施されることもある。

6. 再作成 /Recreation

《再作成》とは、残存する映画フィルムのごく一部(断片)や、フィルムが失われた映画の台本やスチル写真など、直接的または間接的に関連する資料から推測することによって、その映画の当時の姿を再現する試みを指す。

7. アクセス /Access

《アクセス》とは、映画フィルムのコンテンツの公開・利用を幅広く意味する。上映、貸出し、テレシネ(現在のところはDVD化がもっとも一般的)、ネット配信などのアクセス手段には、(所蔵元が率先して行う)積極的アクセスと(利用者から求められる)対処的アクセスがある。他のメディアに比べて、動的映像のアクセスには著作権処理(権利者に許諾を得たり、使用料を支払ったりすること)が大きく関与する。

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