TOP > プロジェクト > 地域で残そう映像史料 第2回 講演会 Ustream配信
皆さんは、日本映画が初めて上映された場所をご存知ですか?
日本映画の初上映は、本郷(東京都文京区)にあったテント型の大屋根を持つ教会において1899年6月13日(火)から17日(土)にかけておこなわれました。この建物は関東大震災で焼失しましたが、1929年に再建された《本郷中央教会》[登録文化財]は今も同じ場所に残ります。映画保存協会ではこの教会をお借りし、「映画と文京区: 日本映画の初公開」と題して入江良郎氏の講演会および国の重要文化財に指定された貴重な日本映画(『紅葉狩』『史劇楠公訣別』)の上映会を催しました。当日は111名の方のご来場を賜りました。ご参加くださった皆さまに心より御礼申し上げます。ありがとございました。
さて、この催しの第一部(講演会)の模様を2011年6月13日(月)9:00pmより、USTREAMで配信いたします。司会は活動写真弁士の片岡一郎氏です。第二部(上映会)はご覧いただけませんので、何卒ご了承ください。USTREAMでの配信は初の試みとなり、うまくいくかどうかわかりませんが、ぜひご覧いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
* こちらからご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/channel/fps-event#
講師 入江良郎氏(いりえ・よしろう 東京国立近代美術館フィルムセンター 主任研究員)
【プロフィール】日本大学芸術学部映画学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(演劇学)修了。1995年より東京国立近代美術館フィルムセンター研究員として、映画フィルムと映画関連資料の収集、保存、上映、展示等の事業運営に携わる。論文に「最古の日本映画について-小西本店製作の活動写真」(2009年)など。
(アンケートの他、Twitterやブログ等で感想を寄せてくださった皆さまにも感謝いたします)
歴史が目の前に蘇ってくるような入江さんのお話にとても興奮した。構図の洗練度の指摘など、なるほどと思った。地味でたいへんな研究かとは思うが、今後にも多いに期待している。フィルムセンターでもこうした企画をどんどんやってほしい。昨年の3Dの企画〔ユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベント 講演と上映 3D映画の歴史〕は素晴らしかった。
(30代・豊島区・会社員・匿名希望)
日本映画の歴史を改めて知ることができて、とても参考になった。初めて映画が公開されたのが本郷だとは知らなかったし、最古の映画会社〔日活〕が今、同じ地区にあるというのも不思議な縁だろうか。
(40代・中野区・会社員・関根英文)
第一部・講演は映画資料の新しい解釈・研究を知ることができた。また、それによりこの本郷中央教会が日本映画の初の上映会場であることを新たに知ることになり、そこに居られることを嬉しく思った。
第二部・上映もたいへん面白かった。『紅葉狩』は久しぶりにみた。映画が日本に渡来したと同時に大きく発展したことがよくわかる作品だった。科学技術と芸能の融合、そしてジャーナリズムの一面も合わせて世界中で大きく受け入れられ、日本でもいち早く発達した、そのスタート地点がみられた。
(50代・横浜市・自営業・岩崎晴樹)
歴史を紐解いて、実際に映像をみると理解が深まって面白かった。『紅葉狩』は本当にただ撮影しただけのものだったが、当時の人たちの気分を味わえた気がする。
(20代・会社員・山根梨花子)
大正時代の皇太子がこのようなかたちでフィルムに残されていることに、当時のリベラルな雰囲気を感じた。時代の証言になっている。多くの人々がこういったフィルムに触れる機会があると良いと思う。弁士と伴奏、とても良かった。
(40代・世田谷区・会社員/学生・匿名希望)
映画保存の最新動向やコラムなど情報満載で
お届けする不定期発行メールマガジンです。
メールアドレス 登録はこちらから
関東圏を中心に無声映画上映カレンダーを時々更新しています。
こちらをご覧ください。