TOP > プロジェクト > 第10回ホームムービーの日報告
2012年10月20日(土)、世界17カ国95会場(内、国内は19会場)で記念すべき第10回ホームムービーの日 HMDが開催されました(一部、日程をずらして開催した会場もありました)。貴重なフィルムをご提供くださった皆さま、ご来場くださった皆さまに心より感謝いたします。10年間のご支援、ありがとうございました!
計8名(10会場)もの世話人(関西:亀岡・京都、中部:犬山、関東:相模原、大泉、墨田、品川、谷根千、東北:大館・弘前)が、開催アンケートや当日の記録画像等を含む提出物を期日に間に合わせて提出してくれたほか、3名の世話人が部分的な情報提供に協力してくれました。
さらに犬山、谷根千、大泉、相模原、田園調布、新潟の世話人6名は、来年初めて開催する「あなた」に向けてのメッセージを寄せてもくれました。今年も報告の途中で画像と共にご紹介いたします。
* 2012.12.05 松山、十条からの画像とメッセージを追加しました。
国内ではこのほか仙台、十条(東京)、大阪、滋賀、神戸、松山でHMDが開催されました。中でも埼玉・蓮田会場の山﨑範子さん、神奈川・相模原会場の郷田真理子さん、東京・田園調布の山梨牧子さん、大泉(東映撮影所)の村木恵里さん、新潟の長谷川潔さん、松山の入江初美さんと、今年は6名もの方がまったくの初参加でしたが、古株の世話人の手助けもあって、どの会場も充実した上映会を実現させたようです。
アンケート結果(上記13会場より回収)によりますと、各会場(キャパ平均150)の集客は平均37と10名分近く向上、上映数は4〜26本、開催費用の平均額は約13,000円(0円から30,000円までの開きがありました)、スタッフ数は3〜10名。来場者が40名を超えた会場が5会場もありました。開催数が国内19会場と飛躍的に増えたこともあって、内容的な多様性もぐっと増したHMDでしたが、数字から判断する限り、例年より少ない予算とスタッフ数で、より多くのお客さまをお迎えした年になったようです。
今年もメディア掲載は順調で、どの会場も新聞やラジオ等で大きく取り上げられました。FPS会員が世話人をつとめる会場の掲載事例や、そうでなくてもFPSへの言及がある記事等はこちらに記録を残すようにしています(後日、追加するかもしれません)。関西2会場、関東1会場、そして東北2会場で開催日に1〜2週間の開きが出てしまいましたが、関西ではそのズレをうまく広報に利用し、複数の開催地が連携して盛り上げることに成功しました。
日頃からの広報には、新たにPR映像を制作する余裕がなく、過去のPR映像(英語字幕付版)を引き続き使用しました。
昨年に引き続き、機材展示を行った会場も多かったようです(詳細までは把握できていません)。各会場間のフィルムの貸し借りも細々ではありますが、続いています。うまくフィルムが見つからなくても、たくさん見つかっている会場から借りて、とりあえず開催してみる…すると、「こんなフィルムならうちにもあるわ」とおっしゃる方が現れるかもしれません。実際、フィルムとの出会いは運もあります。今年も5本しか見つからなかった会場から95本も出てきた会場まで、数には差がありました。たくさん見つかってもすべてを一度に上映することはできません。
音楽を添える試みもこれまで何度かありましたが、今年は墨田が大掛かりなイベントで生演奏を試しました。このような作り込んだ上映会がある一方で、持ち込まれたフィルムをその場でインスペクションして次々上映するような、フィルムアーカイブを模倣した開催手法もまた、面白いかもしれません。
フィルム・インスペクションとは?
→ フィルム保存入門:公文書館・図書館・博物館のための基本原則 第3章 フィルムの扱い方とインスペクション
→ PDF 映画保存協会「8ミリフィルム インスペクション&映写研修 資料」
FPSの深刻な人員不足のため、今年の一本DVD制作や開催後の世話人会議は無理せず中止することなりました。昨年の報告にありますように、会員の中にHMDのとりまとめ継続を求める声はありませんでしたが、支援など必要ないほどHMDはいつのまにか頼もしく成長し、各地で毎秋の恒例行事としてすっかり根付いています。肩に力を入れ過ぎず、SNSなどで交流しながらのんびりやっていくことを、多くの世話人が望んでいるようです。しかしはやくも来年の開催を表明している熱い会場があり、今後も一層の発展が期待できそうです…FPSとしても、いつかまた別のかたちでお役に立てることがあれば、嬉しく思います。
10周年を祝して会場を増やすという目標は、あっけなくも叶いました。この勢いが、各地の資金繰りにもつながれば幸いです。一方で、ユネスコ世界視聴覚遺産の日との連携はうまくいきませんでした。やはり記念日が二つ並ぶのは紛らわしいからでしょうか。その他の課題は昨年と変わりません。デジタル化はアクセスの手段にこそなれ、長期保存の解決にはならないことをしつこく訴え、いつか現物の映画フィルム保存につながるHMDが実現しますように! そう願わずにはいられません。
尚、各地から届いた当日の画像はこちらです。ぜひご覧になってください。
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