2008年10月18日(土)、世界11カ国で「ホームムービーの日(HMD)」が開催されました。豊橋と福岡ではじまった日本のHMDも6年目。フィルムをご提供くださった皆さま、ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。
過去には戦前の9.5mmや16mmも上映してきたHMDですが、今年はすべて8mmでした。各会場の集客は平均25(キャパ50)、上映数は7〜23本、開催費用の平均額は約13,000円(3,000円から30,000円までの開きがありました)、スタッフ数は2〜11名と小規模です。1つ1つの会場の規模を大きくするのでなく、開催地数をコツコツ増やし、全国にHMDの輪を広げていきたいものです。
地方都市では新聞にHMDの記事が大きく出るのが恒例ですが、都内では文化イベント目白押しの秋、HMDのような無名の記念日に注目してもらうのは至難の業です。夏開催と比べて全体的にお客さまの数は減ったものの、アンケートに寄せられるお言葉のあたたかさは昨年までと変わりません。盛り上がる夏開催のほうが良かったという声もちらほら聴こえてくる一方で、静かな秋開催も悪くない、というご意見も。
世界的に参加無料のイベントですが、カンパを募った3会場では開催費用がすっかりまかなえるほどの金額が集まりました。ほとんどの開催地で会場費は無料!世話人さんは本当に会場選びがうまく、保存建築、博物館、教会、蕎麦屋など、HMDに理解ある会場の関係者の皆さまにも恵まれています。
より詳しい開催資料はFPSの事務所にて閲覧可能ですので、興味をお持ちの方はご一報ください。
各会場から集まった《今年の一本》については、こちらをご覧ください。各地から届いた当日の画像はこちらです。
さて、2009年のHMDは10月17日(土)…… 地域や家庭に埋もれた映像遺産を救うために、あなたも地元で開催してみませんか?
・フィルムに関して何も知らなかった私でも開催できました。興味お持ちでしたら、少人数でもいいのでチャレンジしてみてほしいです。
・とりあえずやってみるのが良いと思います。
・開催時間は短過ぎても長過ぎてもダメ。スタッフの連携を密にする必要があります。
・機材の確保等を開催1ヶ月前までには済ませましょう。
・始めてみることがやはり第一歩だと思います。一人でも、お金をつかわなくてもできます。
・世話人のやる気につきます。わからない点は各地の世話人に相談しましょう。
・HMDについてきちんと説明していくのが難しかったです。声高にならず、しかしこういう意義があるということをもっとうまく伝えていきたいです。
・行政にもっと積極的にかかわってほしいです。
・他会場との更なる交流(情報交換、フィルム貸し借りなど)をすすめたいです。今年の世話人メーリングリストには本当に助けられ、勇気づけられました。
・若い世代にフィルムの良さと大切さを伝えるイベントにしていきたいです。
・開催地が増えて、この記念日が認知されていくことを期待します。
*三沢会場は少し遅れて11月開催です。詳しくはこちらをご覧ください。
主催:HMD弘前/世話人:竹森朝子/会場:めん房 たけや
2008年の弘前会場は、なんと、気のいいお蕎麦屋さん。お友達やご家族とホームムービーの上映を楽しんで、美味しいおそばを食べて帰るなんて最高ですね。来年も開催の予定です。世話人の竹森さんは目まぐるしくHMD三沢も兼任。今年の一本上映会の併催も申し出てくださいました。今年の一本上映会、初めて東京を飛び出します。
主催:仙台市歴史民俗資料館/世話人:坂本英紀(クリップクラブ)/会場:仙台市歴史民俗資料館/共催:クリップクラブ、「風の時」編集部
新聞の地方版やローカルTV番組(宮城テレビ「OH!バンデス」やTBCイブニングニュース)などで紹介され、たくさんの貴重なフィルムが集まったという、初参加ながら頼もしい仙台会場。来年も開催の予定です。仙台市歴史民俗資料館の建物は、旧日本陸軍の兵舎を改築したもので、とても趣があります。
主催:日本脚本アーカイブズ倶楽部・放送映画文化講座【てら】/世話人:塩田祐子/会場:シアター1010 視聴覚室 /共催:シアター1010/後援:足立区・足立区教育委員会
日本脚本アーカイブズ倶楽部の皆さんも初参加。この会場の特徴は、同時録音の「音」の再現にありました。送られてきた会場の画像をみると、本格的な機材がずらっと並んでいるのがわかります。さらに、集まったフィルムの本数は100本をこえたそうです(快挙!)。ぜひ継続開催していただきたいです。
主催:HMD小平/世話人:中川望/会場:ガス・ミュージアム
郊外での開催はハードルが高いものですが、会場をご提供くださっているガスミュージアムさんがとても協力的で、今年も小平会場はうまくいったようです。ローカルラジオ局のFM西東京(ひとまち発見!西東京)で2年連続紹介されました。来年も開催の予定です。映写は山崎幹夫さんがサポートしてくださいました。
主催:根津映画倶楽部/世話人:島啓一/会場:日本基督教団 根津教会
昨年は60名近いお客さまでにぎわった根津会場も3年目。秋開催になってやや静かになりました。根津会場の特徴は、上映前や休憩の時間を使った「ちいさな一箱古本市」の併催。開催後には青森にまつわるフィルムを2本、三沢会場に登録しました。来年も、もちろん開催の予定です。
主催・会場:cinecafe soto(シネカフェ・ソト)/世話人:柳田尚彦
“cinecafe soto”(シネカフェ・ソト)という名称のカフェです。こちらはなんと、35mmの映写機を備えています。普段の上映のある日は作品にまつわる美味しいお食事が供されますので、ぜひ訪れてみてください。HMD当日は、無声映画伴奏者・柳下美恵さんの若かりし頃の映像もスクリーンに甦ったとか。
主催:滄溟舎/世話人:仙元浩平/会場:あんさんぶる荻窪 4階1・2・3教室/協力:東京映像(旧 東京エイト)、東洋大学 白山シネサークル「求」
初開催でした。宣伝が追いつかず、フィルムの持ち主やスタッフなど内輪のイベントになってしまったそうですが、継続すれば次第に地域に根付いていくのではないでしょうか。地域や家庭に眠るホームムービーだけでなく、作家さんの8ミリ作品の上映会も併催されました。
主催:HMD名古屋/世話人:田村郷枝/会場:旧豊田佐助邸
最古参、貫禄の名古屋。開催前に朝日新聞名古屋版(夕刊)に記事が出ました。今年も「いつものスタッフ」が終結し、昨年と同じく保存建築を会場に、盛り上がったようです。評判が良かったという大阪万博のフィルムは25分(!)の力作。来年も開催します。
* HMD2007はこのほか東京八王子、下北沢、大阪港区でも開催されました。世話人及びスタッフの皆さま、お疲れさまでした!
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