東日本大震災に学ぶ〈1〉わたしたちにできる映画フィルム救済 アンケート結果

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東日本大震災に学ぶ:わたしたちにできる映画フィルム救済

2011年8月28日、第6回映画の復元と保存に関するワークショップ(会場:京都府京都文化博物館)において、《映画フィルム救済・ご相談窓口》が表題の発表をさせていただきました。その際に使用したパワーポイントは以下の通りです。またこの発表の模様は近々USTREAMで配信の予定です(詳細決まり次第お知らせいたします)。

当日は参加者の皆さまにアンケートにご協力いただきました(回収33枚、内FPS会員2名)。関係者一同、心より感謝いたしますと共に、お寄せいただいたご意見・ご感想の一部を以下に掲載いたします。

アンケート結果

《映画フィルム救済・ご相談窓口》の存在をご存知でしたか?

YES 14名
NO 19名

(YESとお答えの方)窓口の存在を知ったきっかけは何ですか?

FPSのHP 5名
メルマガFPS 3名
Twitter 2名
友人知人より 2名
FPS会員より 1名
そのほか 1名

広報用のチラシについて、修正すべき点やご感想などをお教えください。

・20-30代の方を中心に「シンプルで良い、印象に残る、好感が持てる、わかりやすい」といったご意見を多数いただきました。40代以降の方のご感想は「インパクトがない、もっと情報を増やしてはどうか」といったご助言が主でした。今後の参考にさせていただきます。

・世代を問わず「修復前と修復後(before/after)が比較できる画像を載せてはどうか?」という具体的なご提案が複数寄せられましたので、改訂版に取り入れるべく検討いたします。

エル・ライブラリーの千本さま、大阪歴史博物館の船越さまより、館内の置きチラシとしてお引き受けいただけるというありがたいお申し出をいただきました。印刷費の問題が解決しましたら、必ずお送りいたします。

・東京文化財研究所の中山さまより、「なぜ保存するのか、という点の説明がもう少し詳しく出ているほうが良いのでは?」とのご指摘をいただきました。一般の方に伝えるべき重要な点ですので、関係者一同じっくり話し合って改訂版に反映させます。

※チラシのデータはこちらでご覧いただけます。

発表に対するご意見ご感想などを自由にお書きください。

「”被災フィルムの救済”と言われてもピンとこなかったが、今回の発表でよくわかった。修復されたフィルムやテープをみて嬉しそうにしている人の姿に心を打たれた。」
匿名希望(40代 自営業)

「東京光音さんのDVDが強く印象に残った。水をかぶったスチル写真が多くのボランティアによって修復されているニュースはテレビなどでかなり目にしたが、ビデオテープやフィルムなども同じように家族の思い出の救済につながるのだなと改めて感じた。またそのことを忘れていたことに、映像産業で働いている者として少々恥ずかしい思いもした。」
松本道子さま(会社員)

「東京光音さんのDVDで実際の”手作業”を見ることができたのは貴重な体験だった。」
匿名希望(30代 アルバイト)

「東京光音さんの映像は、映像が元通りになって良かったな、と悠長に考えていたが、依頼者のご家族が亡くなっておられたことに衝撃を受けた。映画フィルムも救わなければいけないが、人間がまず先である… ジレンマに陥りそうだ。」
篠原征生さま(学生)

「フィルムが水洗で大丈夫とは意外だった。特殊な薬品を使うのかと思った。」
笹原明枝さま(学生)

「写真の救済は知っていたが、フィルムやビデオテープについては知らないことが多くあったので勉強になった。個人の記録を残していく大切さを実感した。」
中馬聡さま(会社員)

「地震発生後の対応、フィルムの修復、日常的な取り組み、という構成でわかりやすかった。(水損フィルムの洗浄についての)出張ワークショップ、機会があれば受講したいと思った。」
吉原大志さま(学生)

「実際に行動に移し、様々な活動をされていることに学ぶ点が多く、自分のふがいなさを実感… 私も何か力になりたいと思った。」
匿名希望(40代 学生)

「地味ながらしっかり活動されてきたことを知り、とても感銘を受けた。」
匿名希望(30代 アルバイト)

「記録を修復することは被災者の方の精神的な救いになると思う。がんばってほしい。」
匿名希望(20代 学生)

「3月14日に窓口を開設されたとのことで、素早い対応にたいへん感心した。映像資料は思い出や歴史を記録するためにとても価値のあるものだと思う。映像文化の継承を担う大切な取り組みだと思う。」
和田慎太郎さま(学生)

「映画フィルム救済への取り組みのはやさに驚いた。意義ある活動だと思う。何か手伝うことがあれば手伝いたい。」
鈴木有吾さま(会社員)

「迅速な行動や様々なデータをあげて情報共有に努めておられる点に敬意を表したい。今回の発表もたいへん参考になった。当館のブログでも紹介させていただいて、更なる共有の広がりにご協力できればと思う。財政基盤の点からもたいへんだと思うが、NPOという立場から活躍の可能性も大いにあるので、今後もがんばってほしい。」
千本沢子さま(エル・ライブラリー)

「個人的にも被害にあった映像に強い関心があり、素晴らしい活動だと思う。失われた”人””物””時”を蘇らせる最高の手段ではないかと思う。発表の内容もわかりやすかった。」
松岡優さま(田中映画社)

「原発事故に伴う放射能をあびた映像資料(ほか文化財)をどうするのか?除染は可能なのか?とくに立ち入り禁止エリア内にあるものは、今後問題として出てくると思う。」
匿名希望(40代 研究者)

以上のほか、たくさんの励ましのお言葉をいただきました。視聴覚資料の放射能汚染につきましては、スイスとオーストラリアの専門家に尋ねましたが、信頼に足るデータや成功事例は見当たらないという回答でした。資料保存器材さんによる「被曝資料の取り扱い」もご参考になさってください。映画フィルム救済・ご相談窓口では水損メディアのみ扱っておりますが、ほかにも有用な情報がございましたら、ぜひお寄せください。

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