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東南アジアの映像アーカイブの多くは、高温多湿のトロピカルな気候、国際フィルムアーカイブ連盟（FIAF）の年会費を支払うこともままならない経済格差など、常に厳しい条件を強いられている。西欧中心のFIAFがカバーできないこれらの難題に協力して取り組む動きが90年代初頭から盛り上がり、ついに1996年2月、フィリピンのマニラにて東南アジア諸国及びオセアニアのアーカイブによって、SEAPAVAA（South East Asia and Pacific Audio Visual Archive Association：シパーヴァと発音）が結成された。以降、参加国の貴重な映像資料を守るため、技術・資金援助、メーリングリストの運営、会報の発行、年次会議の開催などを通して友好関係が築かれている。残念なことに、2003年5月の第8回SEAPAVAA会議（ブルネイ・ダルエスサラーム ［テーマ］完成されたアーカイブを目指して – 確実な結果を残していく為の実践的ステップ）は、SARSの影響で延期となってしまった。しかし、2004年の第9回会議（ベトナム） はFIAF総会との合同開催が決定している。

SEAPAVAAの立役者ともいえるオーストラリア・映像アーカイブ界の重鎮、レイ・エドモンドソン氏は、いかにFIAFがアジアのアーカイブをその視野に入れようとしないか、という点を度々問題にしている。2004年のFIAF総会を契機にSEAPAVAAの活動がどう変化していくのか、今後が楽しみなところ。また、東アジアのアーカイブ間にもこのような交流が生まれることを期待したい。

SEAPAVAA結成までの足跡

1993年、マニラのASEAN/東南アジア諸国によるフィルム＆ビデオ保存に関する会議、1995年5月、キャンベラ（オーストラリア）でもフィルム＆ビデオ保存についてのセミナーが開催され、団体設立の必要性が議論される。バンコクでフィルム＆ビデオ保存に関する法律が制定され、1996年2月、マニラで開催されたASEAN-COCI (Committee on Culture and Information) にて公式にSEAPAVAAが誕生。同時に、第一回の会議開催となる。

これまでのSEAPAVAA会議、開催地とテーマ

• 第1回 1996 マニラ（フィリピン）
• 第2回 1997 ジャカルタ（インドネシア）

[テーマ] 視聴覚アーカイブ、2000年へ向けての強化

• 第3回 1998 ハノイ（ベトナム）
• 第4回1999 クアラルンプール（マレーシア）

[テーマ] 新世紀の視聴覚アーカイブとは？遺産を守る為の協力

• 第5回 2000 シンガポール

[テーマ] 過去のための未来 3世紀目を迎える視聴覚アーカイブ

• 第6回2001 バンコク（タイ）

[テーマ] 倫理、価値、そして基準 視聴覚アーカイブの基礎固め

• 第7回 2002 ラオス

[テーマ] 未来図を描く アーカイブの現実を知る




• 第8回 2003 ブルネイ ダルエスサラーム

[テーマ] 完成されたアーカイブを目指して – 確実な結果を残すための実践的ステップ

＊第9回 2004 ベトナム（FIAF総会との合同開催の予定）

加盟団体及び個人

フルメンバー：オーストラリア2、ブルネイ1、インドネシア4、ラオス1、マレーシア4、ブルネイ1、ニュージーランド2、パプア・ニューギニア1、フィリピン8、シンガポール2、タイ3、ベトナム1、以上30団体

アソシエート・メンバー：オーストラリア5、フィリピン3、タイ1、イギリス2、アメリカ1（=AMIA）、以上12団体

個人：オーストラリア1、オーストリア1、ドイツ2、カンボジア1、インド1、インドネシア1、マレーシア2、パプアニューギニア1、フィリピン5、シンガポール1、タイ1、イギリス1、アメリカ2、ベトナム1、以上21名（2003年3月現在）