2006.02.21.(火)

ちいさな上映会 Vol.04

FPS資料室が無事開室を迎えて早2ヶ月、一方、毎月第3日曜日の小さな上映会は2006年2月で4回目を迎えました。これまでは勉強会の試写や図書館から借りてきたフィルムを上映して、映写機の整備や映写技術の向上に努めてきましたが、今回は、はじめて個人のコレクションから8ミリ作品を5本上映しました。

82552847_077ee5b6bb.jpg実はこのコレクション、昨年8月の「ホームムービーの日」東京会場に出品してくださった方のもの。この時大きな段ボール箱でお預かりしたフィルムは全部で 68本。11月に「ホームムービーの日」勉強会を行った際、改めて箱を小会に引き取り、メンバー4人で約3ヶ月かけて調査を行いました。

この調査は手探りで始まりました。まず土台となる調査シートを作成、しかし、これも途中で作り変える必要に迫られました。どのようにID番号をつけ たらいいのか?タイトルがない作品をどう識別したらよいのか?8ミリのエッジコードは?ビネガーシンドロームが進行しているフィルムを分けて保管する方法 は?白黒とカラー/年代/製造会社が混在するフィルムを正確に把握していくにはどうしたらよいか?データ化は?などなどなど、いろいろな問題、疑問にぶつ かり、試行錯誤を繰り返しました。しかしそうしたことが返って様々な課題を呼び起こし、小会にとって今後の小型映画調査・保存活動への大きな一歩になった ことは間違いありません。同時に、必要な機材・道具や時間配分などがつかめたこと、そしてフィルムの感触をしっかりこの目とこの手で確かめることができた のは何よりの成果でした。いろいろな思いのこもったフィルムであることを心に留めながらの調査は、その責任を実感させるものとなりました。

2月の上映会はそのお披露目も兼ねたものでした。実際にフィルムの提供者の方にもご来場いただき、1950年代後半から80年代まで、家族や職場の 折々の様子、国内外の旅行風景をとらえたフィルムを見る約1時間半は、わたわたと慌てながら、でもとても充実したひとときとなりました。ホームムービーの 日に生まれた出会いが、このような形で結実するのは本当に幸せなことです。フィルム提供者の方に改めて深く感謝を申し上げます。(N)

Language: English

小中大

twitter

facebook

flickr

今後のイベント情報

06/10
東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ連合(SEAPAVAA)会議
04/16
国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)会議
04/10
オーファンフィルム・シンポジウム
11/30
東京現像所 全事業終了
10/27
日韓映写技師会議 in 福岡

映画保存の最新動向やコラムなど情報満載で
お届けする不定期発行メールマガジンです。

メールアドレス 登録はこちらから

関東圏を中心に無声映画上映カレンダーを時々更新しています。
こちらをご覧ください。