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名称:
広島市映像文化ライブラリー
[ロゴ]
その他の名称:
Hiroshima City Cinematographic and Audio-visual Library
種別:
公立のフィルムアーカイブ(視聴覚ライブラリーを兼ねる)
所在地:
〒730-0011 広島県広島市中区基町3-1
広島市中央公園内
⇒ Google MAP
[外観]
電話/ファックス:
TEL 082-223-3525/FAX 082-228-0312
Eメール:
eizou(a)cf.city.hiroshima.jp
ウェブサイト等:
URL http://www.cf.city.hiroshima.jp/eizou/
連絡窓口:
佐藤 武(主任)- eizoulib_05(a)cf.city.hiroshima.jp
[人員]
7名=館長、主幹、主査、主事、事務推進員2名、臨時職員(2019年度)
[年間予算]
102,205千円(2019年度)、内、資料購入費 約1,000万円?(2012年度)
[開館日]
1982年5月1日
沿革/歴史:
1974年 – 広島市立中央図書館が開館する。
1975年 – 被爆30周年を機に〈ヒロシマ国際アマチュア映画祭〉が始まる(1995年に〈広島国際アマチュア映像祭〉と改称して第12回まで隔年開催)。受賞作品は中国放送が保存する(後にNFCに寄贈)。同年「広島市文化懇話会」が設置される。懇話会の一員であった広島大学の中川剛教授(当時)は米国カリフォルニア州バークレーの「パシフィック・フィルムアーカイブ」に接した経験があった。
1979年 – 文化懇話会による提言「広島の文化都市像を求めて」に含まれた「映画映像ライブラリー(市民シネマ)建設」に、自治省から出向していた澤田秀男助役(後の横須賀市長)が理解を示し、市立中央図書館第二期工事の一環として広島映像文化ライブラリーの建設が決まる。広島出身の東映・岡田茂社長の理解を得て、映連加盟の大手4社作品の35mmフィルムによる収集許可が下りる。
1982年 – 開館を記念して『原爆の子』の上映と新藤兼人監督の講演、市立中央図書館では「目でみる映画の歴史展」が催される。
1985年 – 被爆40周年記念事業として始まった<国際アニメーションフェスティバル広島大会>の選考1次審査の会場となる(同フェスティバルは隔年開催の《広島国際アニメーションフェスティバル》へと発展)。
1991年 – 広島の民家から発見された伊藤大輔監督『忠次旅日記』(1927)のナイトレートフィルムを東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈仲介する。
2007年 – 指定管理者制度を導入する。
2011年 – 「全国コミュニティシネマ会議2011 in 広島」の会場となる。
2012年 – 開館30周年を記念して「新藤兼人 100年の軌跡」を催す。
地理的及び文化的背景:
広島市は世界初の被爆都市として、平和を訴え続ける使命を担う。国際平和文化都市(水と緑と文化のまち・ひろしま)を都市づくりの目標とし、この実現に向けた環境整備の一環として、映像文化の普及・振興・発展に寄与するため、地方自治体としては初めて日本映画の35mmフィルムやビデオテープ、レコード・CD等の音楽資料を収集・保存する専門施設が開館した。建物は広島市中央公園内の市立中央図書館に隣接(内部で連結)し、広島城・こども文化科学館・ひろしま美術館等と共に文化ゾーンを形成している。<広島国際アニメーションフェスティバル>の受賞作品の保存のため、フェスティバル事務局にも協力している。コミュニティシネマセンター会員、日本視聴覚教育協会会員。1988年の時点では、収蔵条件の改善を兼ねて広島大学跡地に構想されていた映像文化創造拠点への移転計画が存在したが、この跡地は「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」を経て、「広島ナレッジシェアパーク」として商業開発されることになった。
典拠となる指令/資料:
【広島市映像文化ライブラリー条例 – 1982年3月24日】
第1条 映像及び音楽に関する作品及び資料を収集し、保存し、その活用を図り、もつて文化の向上に寄与するため、広島市映像文化ライブラリーを設置する。
第3条 広島市映像文化ライブラリーは、第1条の目的を達成するため、おおむね次に掲げる事業を行う。
(1)劇映画、文化映画等の映画のフイルムその他の録画物、レコードその他の録音物等の収集、保管及び利用に関すること。
(2)鑑賞会、講演会、講座等の開催に関すること。
(3)映画に関する出版物の作成に関すること。
(4)視聴覚機器の利用に関すること。
(5)映画及び音楽に関するサークルの育成及びその活動の助長に関すること。
管理組織:
市長 > 市民局 生涯学習課 生涯学習係 >(指定管理)公益財団法人広島市文化財団(1981年設立、広島市中区加古町4-17、2014年4月に財団法人広島市未来都市創造財団より改称)
館長は市立図書館館長が兼任
運営委員会=6名
記録管理方針:
取得方法は主に購入による(現在は年5〜10本程度)。寄贈は受け付けるが寄託は受け付けない。所蔵する映画のデジタル化は行っておらず、単独で復元を行うこともない。所蔵する映画の館内上映は広島県興行生活衛生共同組合との覚書により月12日に限定される。
収集方針:
国際平和文化都市・広島にふさわしい文化と教育を推進していくための資料、映像文化の普及振興を図るための資料、社会教育における視聴覚教材として活用するための資料を収集する。映画フィルムに関しては以下が該当する。
(1)名作映画(キネマ旬報誌のベスト10にランクされた作品等)
・広島にゆかりのある作品(田坂具隆、新藤兼人、杉村春子、月丘夢路等の広島出身の映画人、原爆を題材とした作品等)
・映画賞および映画祭受賞作品
・芸術史、文化史として重要な作品
・平和をテーマにした作品
・アニメーション映画史上重要な作品
・その他、文化遺産として収集すべき貴重な作品
(2)教育映画
(3)文化映画
(4)記録映画
フィルム収集等について御意見を承る会(東京)=5名
フィルム収集等について御意見を承る会(広島)=12名
建物:
建設費 約5.6億円、鉄筋コンクリート地下1階・地上3階、延床面積 1293.2平方メートル。
[収蔵庫]
地下1階の視聴覚資料専用収蔵庫(145平方メートル)は、35mmフィルム(または16mmフィルム)9,000缶分の収蔵が可能。《室温20℃、相対湿度40%》。
[上映設備]
2階の映像ホールの座席数は169席、35mm映写機はシネフォワード(日本電子光学工業、速度可変)。映写業務は外部委託。1階に38名収容の試写視聴室あり。年間入場者数は46,066人(2009年度)。
アーカイブズ及びその他の所蔵資料:
(1)644 742作品、内、16mm 64本、(2)〜(4)1,830本(すべて16mm)、その他8mmフィルム241本、レコード10,819枚(2012-2019年度)。35mmは原則としてポジフィルムのみ。ナイトレートフィルムの所蔵はない。特色は広島、平和、アニメーション。
[参考画像](2013年撮影)
[復元実績]
『広島・長崎における原子爆弾の影響』(1946)等。
検索ツール:
『貸出用16ミリフィルム・ビデオテープ・DVDリスト 平成23年度追録版』(2012)
『広島市映像文化ライブラリー所蔵映画第25集』(2007)
『映画フイルム・機器リスト 平成12年度』(2001)
所蔵16mmフィルム、ビデオテープ、DVDはウェブサイトの「貸出用16ミリフィルム・ビデオテープ・DVDリスト」に50音ごと、あるいはジャンルごとに掲載されている。
出版物等:
『要覧』(毎年8月頃に出版、国立国会図書館に所蔵あり、PDFなし)
「上映スケジュール」(月刊)
開館時間:
火曜日~土曜日 10:00-20:00
日曜日・祝日・8月6日 10:00-17:00
休館日 月曜日(8月6日、祝日は開館)、祝日・国民の休日の翌日(土・日の場合は直後の平日)、12月29日~1月4日
アクセス及び利用条件:
16mmフィルム、ビデオテープ、映写機、暗幕、スクリーンなどの視聴覚機器の無料貸出の対象は、広島市内の社会教育団体、その他の地域団体等に限る。35mmフィルムの館外貸出しは原則として行わないが、非営利団体による上映会で権利がクリアされている場合は応じることもある。
アクセシビリティ:
公共交通機関 最寄り駅 バス「紙屋町(バスセンター)」、市内電車「紙屋町西」、アストラムライン「県庁前」より徒歩5分。ひろしま美術館西隣。
原爆障害者章、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、学生証または広島県内施設優待カード(留学生)、罹災証明書、被災証明書、その他被災地での住所を証明できるもの(東日本大震災被災者の方)を提示することによって鑑賞料の免除あり。駐車場なし。
研究支援サービス:
2F映像ホールで火曜日を除く開館日に映画の定期上映を行っている。一般510円(文化映画鑑賞会は370円)、スタンプカードあり(スタンプ5個で無料鑑賞券と引換)。
館内のビデオコーナーとオーディオコーナーで、ビデオ、DVD、レコード、カセットテープ、CDをヘッドフォンで視聴できる(有料)。
レコードコンサート、講座・ワークショップ、多目的研修室を利用した企画展示等を催している。
複製サービス:
なし
公共エリア:
2F上映ホール前にロビースペースが用意されている。
[作成日]
2014-05-21(初稿)
2019-08-28(最新版)
*次回改訂は2020年7月を予定しています。
[作成者]
映画保存協会
注記:
広島市映像文化ライブラリーによる監修なし。
記載項目は国際公文書館会議(ICA)の「ISDIAH アーカイブズ所蔵機関の記述に関する国際標準 第1版」日本語訳(国立公文書館 2010年)を参考にした。
情報源:
広島市の図書館(要覧)2018年度(平成30年度). 広島市立図書館., 2016.
広島市の図書館(要覧)2017年度(平成29年度). 広島市立図書館., 2016.
広島市の図書館(要覧)2016年度(平成28年度). 広島市立図書館., 2015.
広島市の図書館(要覧)2015年度(平成27年度). 広島市立図書館., 2014.
広島市の図書館(要覧)2014年度(平成26年度). 広島市立図書館., 2013.
広島市の図書館(要覧)2013年度(平成25年度). 広島市立図書館., 2012.
○ 要覧 2019 平成31年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2019.
× 要覧 2018 平成30年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2018.
○ 要覧 2017 平成29年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2017.
× 要覧 2016 平成28年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2016.
× 要覧 2015 平成27年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2015.
× 要覧 2014 平成26年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2014.
× 要覧 2013 平成25年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2013.
○ 要覧 2012 平成24年度. 広島市映像文化ライブラリー, 2012
○ 佐藤武. 企画の見所/発掘された映画たち2010 広島市映像文化ライブラリー『広島・長崎における原子爆弾の影響』について. NFCニューズレター90号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 2010. p. 11.
○ 佐藤武. 連載:フィルム・アーカイヴの諸問題 第19回 日本のフィルム・アーカイヴ2 広島市映像文化ライブラリー. NFCニューズレター19号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 1998.
○ 木津治矢. 映像文化ライブラリーがオープン(広島市). 地方行政. 時事通信社, 1982. p. 14.
○ 全国視聴覚教育連盟「これからの視聴覚センター・ライブラリーモデル事業」報告書より(4)夏休み活弁ワークショップ(広島市映像文化ライブラリー). 視聴覚教育 63(9). 日本視聴覚教育協会, 2009. pp. 52-54.
○ 全国美術館会議(編). 美術手帖 1998年5月号増刊 50(756) 全国美術館ガイド. 美術手帖社, 1998. pp. 441-442.
○ 堀口昭仁. 日本のフィルム・アーカイブ政策に関する考察ー映画フィルムの法定納入制度を中心にー. 2011.
× 中道紘二. 映像と音を通して文化向上を–往年の名画を保存・公開–広島県広島市映像文化ライブラリー. 社会教育44(10). 全日本社会教育連合会, 1989. pp. 41-44.
× 岩村一生. 広島市映像文化ライブラリ—映像と音を通して文化向上を–往年の名画を保存・公開. 教育と情報 309. 第一法規出版, 1983. pp. 47-49.
○印は映画保存資料室に所蔵があります。×印は未確認の資料です。
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