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名称:
京都文化博物館 学芸課 映像・情報室
[ロゴ]
その他の名称:
京都府京都文化博物館 映像情報室
Kyoto Film Archive, Curatorial Office, The Museum of Kyoto
種別:
公立の博物館/総合文化施設を母体とするフィルムアーカイブ
所在地:
〒604-8183 京都府京都市中京区三条高倉(高倉通三条上る東片町623-1)
⇒ Google MAP
[外観](別館)
電話/ファックス:
TEL 075-222-0888(代表)、075-213-2893(学芸課映像・情報室)/FAX 075-222-0889(代表)
Eメール:
office(a)bunpaku.or.jp(代表)
ウェブサイト等:
URL-01 http://www.bunpaku.or.jp/(京都博物館)
URL-02 http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html(フィルムシアター)
FB https://www.facebook.com/KyotoFilmArchive(京都文化博物館 映像情報室)
Twitter @kyoto_bunpaku(広報)
連絡窓口:
非公開
[人員]
博物館全体で職員26 28名、内、映像・情報室2名=主任学芸員1名(学芸課 課長補佐、映像・情報室長 主任学芸員)、学芸員=2名(2017-2018年度)
[年間予算]
博物館全体で4.5億円(2001年度は19.7億円?)、内、映像・情報室の資料購入費 約100万円(2010年度)
[開館日]
1988年10月1日
沿革/歴史:
1967年 – 伊藤大輔監督や中村錦之助等による『祇園祭』(1968)の製作資金要請に対して、京都府は府政100年事業として全面的支援を行う(アクセス及び利用条件を参照のこと)。当時の府知事は蜷川虎三(就任期間 1950〜1978年)。
1970年 – 府がフィルムライブラリー事業の調査費を計上する。
1971年 – 大映倒産に伴って労組が確保した映画25作品を府が購入し、これを機に府文化事業室がフィルム・ライブラリー事業に着手する。
1972年 – フィルム・ライブラリー協議会(現川喜多記念映画文化財団)等の働きかけにより映連加盟の大手4社作品の収集が可能になり、府立文化芸術会館で毎月「京都府保存映画鑑賞会」を開催する(1988年まで継続)。
1975年 – 伊藤大輔監督『治郎吉黄金地獄(御誂次郎吉格子)』(1931)のナイトレートフィルムを発掘・復元する。
1980年 – 京大元学長の岡本道雄名誉教授(当時)を座長とする「京都府文化懇談会」=学界、芸術界、産業界、文化人等の委員37名から成る府知事の諮問機関が、府の文化施策に対する提言をまとめる。これによって、京都の文化・歴史が通覧できるような歴史資料(考古資料を含む)、現代美術、伝統工芸および年中行事、風俗習慣などを展示・公開するとともに、各分野の研究、教育、啓発そして情報の収集、提供を行う施設の建設が決まる(平安建都1200年記念事業の一環)。既に収集していた映像資料もこの施設の映像部門に引き継がれることになる。
1986年 – 岡本教授を理事長に財団法人京都文化財団(当時)が発足する。
1988年 – 開館に伴い、管理及び運営について財団が府から委託を受ける。
2000年 – 映画フィルム専用倉庫を設置する。それまでは府庁内の倉庫、府の美術・工芸資料収蔵庫を間借りしていた。
2003年 – 「夢とロマンでつづるKYOTO映像フェスタ~フィルム・ルネッサンス~」を催す。
2004年 – 「京都文化博物館の活性化検討会」が開かれる。
2005年 – シンポジウム「『よみがえる日本映画』ー映画復元の現在、フィルムとデジタルの融合」を催す。
2006年 – 「映画の復元と保存に関するワークショップ」の会場となる(以降、2007年度を除いて2014年度まで継続)。
2011年 – リニューアルオープンに伴いフィルムシアターが完成する。
2018年 – 開館30周年、再び「映画の復元と保存に関するワークショップ」の会場となる。
地理的及び文化的背景:
京都は日本の映画産業発祥の地であり、日活、松竹、大映等の映画撮影所を配して日本のハリウッドとも呼ばれ、とりわけ時代劇製作に重要な役割を担ってきた。京都の町中に位置する京都文化博物館は、博物館登録は行っていないが、重要文化財等を取り扱う文化庁公開承認施設であり、「歴史博物館」、「美術館」、そして京都の特性を生かした映像文化を展示・上映する「フィルムアーカイブ」という3つの機能を併せ持つ。「フィルムアーカイブ」として機能する映像・情報室は、映像文化の研究・振興を目的として収集したフィルムを上映するとともに、関連資料を展示する他、《京都ヒストリカ映画祭》等、他機関との共催企画を多数実施している。インターンも受け入れている(2011年度は立命館大学映像学部の2名、2012年度、2015年度、2017年度は同 1名、2018年度は同 2名)。
典拠となる指令/資料:
設置条例はない。
【公益財団法人京都文化財団 定款 – 2013年4月1日?】
第4条 この法人は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。
(1) 歴史、美術、工芸、映像、民俗などの文化資料及び図書、記録その他必要な図書資料の調査研究並びに収集、保存、利用、公開展示
(10) 京都府京都文化博物館の管理及び運営
管理組織:
京都府 文化環境部 文化芸術振興課(開館当初は文化事業室)
公益財団法人京都文化財団 > 京都府京都文化博物館
館長 – 副館長 > 学芸課 > 映像・情報室
財団理事長が京都文化博物館館長を兼任
京都文化財団役員=13名
京都文化財団評議員=19名
記録管理方針:
取得方法は主に購入(現在は年1本程度)と寄贈による。寄託は受け付けない。
収集方針:
映画フィルムに関しては以下が該当する。劇映画が中心ではあるが、京都の文化、民俗習慣等を捉えた歴史資料としてのフィルムも積極的に収集している。
(1)京都で製作された作品(特に古い作品、既に消滅した映画会社の作品を優先)
(2)京都がテーマになった作品
(3)京都関係者が製作した作品
(4)優秀映画とみなされる作品
(5)貴重な作品
(6)当時話題を呼び、または評判となった作品
京都府映像文化センター運営委員=10名
建物:
建設費 約82.1億円。本館は鉄筋コンクリート/一部鉄骨造、地上7階・地下1階。別館は煉瓦造、銅板葺、地上2階・地下1階。延床面積は両館合わせて15,854.7平方メートル。明治の名建築・旧日本銀行京都支店(1969年 重要文化財指定)を博物館のシンボルとして、広く公開・活用している。
[収蔵庫]
地下1階の映画フィルム専用収蔵庫の収蔵可能量と収蔵率は不明。《室温5℃、相対湿度40%》。
[上映設備]
本館3階のフィルム・シアターの座席数は174席、35mm映写機はKinoton FP38E(16mm/35mm兼用、速度可変)。映写業務は外部委託。年間入場者数は約2.5万人(2010年度)、約4.6万人(2014年度)、約4.4万人(2015年度)。
アーカイブズ及びその他の所蔵資料:
京都で製作された作品を中心に映画フィルム797本(内、記録映画約120本)、シナリオ・書籍等157,916冊、ポスター・写真類67,969点、映画機器等189点、その他資料48,747点、計275,618点を所蔵(2012年度)。35mmは原則としてポジフィルムのみ所蔵する。伊藤大輔、森一生、山中貞雄、坂根田鶴子等、京都にゆかりある映画人資料を文庫化している。府ライブラリー時代には、京都映画人のオーラルヒストリー活動が行われた(1971〜1975年)。
特色は京都、時代劇。
[参考画像](2007年撮影)
[復元実績]
『祇園小唄絵日傘 狸大尽』(1930)、『槍供養』(1927)
映像フィルムルネッサンス事業(2004-2005年)=全国で唯一京都府にしか残っていない貴重な映画フィルムを地方公共団体としては全国で初めてデジタル技術を用いて復元し、上映会の開催や「デジタル疏水ネットワーク」での部分配信を行っている(アクセス及び利用条件を参照のこと)。
その他、『祇園祭山鉾巡行記録映像』(1930)、『流氷 流れに沿って』(1934)、『無憂華 九条武子夫人』(1930)、『マキノ省三葬儀の実況』(1929)、『尾上松之助 葬儀』(1926)、2007年に復元した『祇園祭』(1968)等。
検索ツール:
管理上のデータベースがあるが公開されていない。
出版物等:
『京都文化博物館 年報』(毎年10月頃に出版、国立国会図書館に所蔵あり、PDFなし)
『京都文化博物館 研究紀要 朱雀』(毎年3月頃に出版、国立国会図書館に所蔵あり、PDFなし)
『INTERVIEW 映画の青春』(2003)1,300円
「友の会通信」(月刊)(京都文化博物館友の会の会員宛、2012年度の会員887名)
「京都府フィルムライブラリー」(広報機関誌、1978年休刊)全14号
開館時間:
10:00-19:30
休館日 月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始、4月28日、9月22日は臨時開館
ろうじ店舗飲食店は20時30分まで入店できる(公共エリアを参照のこと)。
アクセス及び利用条件:
35mmフィルムの館外貸出しは原則として行わないが、非営利団体による上映会で権利がクリアされている場合は応じることもある。府が著作権を保有する『祇園祭』(1968)は1回50,000円の上映料金で貸与している(沿革/歴史を参照のこと)。スチル写真等のノンフィルム資料は教育目的に限り2,000円の出納料金で貸与している。
府の予算で復元した作品の画像配信は次の通り。
・映画『祇園小唄絵日傘 狸大尽』(1930)
http://www.pref.kyoto.jp/bungei/eizou-gionkouta.html
・映画『槍供養』(1927)
http://www.pref.kyoto.jp/bungei/eizou-yarikuyou.html
アクセシビリティ:
公共交通機関 最寄り駅 地下鉄「烏丸御池駅」より徒歩3分、阪急「烏丸駅」より徒歩7分、京阪「三条駅」より徒歩15分。駐車場 約30台(有料)。
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を提示することによって鑑賞料の免除あり。盲導犬、介助犬、聴導犬を伴って入館できる。高倉通正面入口の南北約40mのところに車椅子使用の方が通行しやすいスロープがある。高倉通正面入口、三条高倉角および姉小路通側通用口に車椅子来館者専用呼出ボタンを設置。貸出用の車椅子あり。車椅子対応エレベーター1台設置。車椅子対応トイレは本館1階。貸出用のベビーカーは1階に1台。オムツ替え専用シートは本館1階トイレに設置。聴覚障害者には受付で筆談に応じる。AED(自動体外式除細動器)は本館1階エントランスに設置。オストメイト用設備は本館1階の身障者トイレ内(男女)。フィルム・シアターに2名分の車椅子鑑賞ブースがある。
研究支援サービス:
本館3階フィルム・シアターで休館日を除く週6日、映画の定期上映を1日2回行っている。一般500円。
複製サービス:
不明
公共エリア:
1階に「ミュージアムショップ」「ろうじ店舗」「別館店舗」がある。営業時間 10:00-19:30(ろうじ店舗飲食店は20:30まで)。
[作成日]
2014-05-21(初稿)
2020-06-27(最新版)
*次回改訂は2021年7月を予定しています。
[作成者]
映画保存協会
注記:
京都府京都文化博物館 映像・情報室による監修なし。
記載項目は国際公文書館会議(ICA)の「ISDIAH アーカイブズ所蔵機関の記述に関する国際標準 第1版」日本語訳(国立公文書館 2010年)を参考にした。
情報源:
京都文化博物館年報 2018年度. 京都府京都文化博物館, 2019.(PDF)
京都文化博物館年報 2012-2017年度. 京都府京都文化博物館, 2013-2018.
京都府公報 号外 第19号. 京都府, 2001.
森脇清隆. 映像文化の発信地としての京都の文化と歴史. 時代劇文化の発信地・京都. 時代劇考証学会, 2014. pp. 27-39.
大矢敦子. 京都の映像文化とフィルムアーカイブズ. 時代劇文化の発信地・京都. 時代劇考証学会, 2014. pp. 157-168.
○ 森脇清隆. トピック 京都文化博物館「フィルム・シアター」のオープン. NFCニューズレター101号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 2012.
京都文化博物館活性化提言. 京都文化博物館の活性化検討会, 2004. http://www.pref.kyoto.jp/bunsei/documents/1173250580840.pdf., accessed on 2014-05-21.
冨田美香, 矢野進, 川村健一郎, 入江良郎, 森脇清隆. 21世紀COEシンポジウム『映画文化の振興と保存』午後の部「映画文化の振興と保存-地域アーカイヴの試み-」シンポジウム採録. アート・リサーチ4. 立命館大学, 2004. pp. 49-90., http://www.arc.ritsumei.ac.jp/oldarc/kiyou/04/tomita.pdf., accessed on 2014-05-21.
○ 森脇清隆. 企画の見所/発掘された映画たち2010 京都府京都文化博物館 京都文化のアーカイブ・コンテナとしてのフィルム. NFCニューズレター90号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 2010.
○ 森脇清隆. 連載:フィルム・アーカイヴの諸問題 第25回 日本のフィルム・アーカイヴ5 京都府京都文化博物館(映像部門). NFCニューズレター 25号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 1999.
○ 【聞き書き】江馬道生(えまみちなり)氏(京都文化博物館)フィルム・ライブラリアンとして. 映画研究誌 FB9. 行路社, 1997. pp. 79-134.
○ 堀口昭仁. 日本のフィルム・アーカイブ政策に関する考察ー映画フィルムの法定納入制度を中心にー. 政策研究大学院大学, 2011. 171 p.
○印は映画保存資料室に所蔵があります。
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