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名称:
川崎市市民ミュージアム 映画担当・ビデオ担当
[ロゴ]
なし
その他の名称:
川崎市市民ミュージアム
Kawasaki City Museum – Audio-visual Department
種別:
公立の文化複合施設(博物館・美術館)を母体とする視聴覚アーカイブ
所在地:
〒211-0052 川崎市中原区等々力1-2 等々力緑地内
⇒ Google MAP
[外観]
電話/ファックス:
TEL 044-754-4510(学芸室代表)/FAX 044-754-4533(代表)
Eメール:
gakugei(a)kawasaki-museum.jp(学芸室共通)
ウェブサイト等:
URL-01 http://www.kawasaki-museum.jp/(川崎市市民ミュージアム)
URL-02 http://www.kawasaki-museum.jp/cinema/(映像ホール)
FB 川崎市市民ミュージアム/225901454226826
Twitter @kawasaki_museum 川崎市市民ミュージアム
連絡窓口:
不明
[人員]
職員数は36名? 28 30名?。内、映画(上映)担当の職員は1名?(2019年度)
[年間予算]
ミュージアム全体では約6.5億円(2012年度)、6.9億円(2013年度)、7.9億円(2014年度)、4.8億円(2015年度)、6.4億円(2016年度)。内、映画・映像に関連する予算は非公開。
[開館日]
1988年11月1日
沿革/歴史:
1980年 – 川崎市が取り組んだ《地方の時代映像祭》(2003年から埼玉県川越市、2007年から大阪府・吹田市で開催)が成果を生む。市企画調整室が漫画・写真・映像文化センター(後の現代映像文化センター)構想を発表する一方で、地域の郷土史サークル等から再三の陳情・請願を受けていた市教育委員会が市博物館構想委員会を設置する。
1983年 – 博物館構想と漫画・写真・映像文化センター構想が一本化される。
1985年 – 市教育委員会に市民ミュージアム準備事務室が発足する。
1988年 – 「都市と人間」を基本テーマに開館する。
1995年 – 「映画生誕100年博覧会ーシネマの世紀」を催す。
2003年 – 運営改善のため自主的にマニフェストを策定し、毎月「ミュージアム市民委員会」を開く。
2004年 – 外部監査の調査報告を受け、運営危機がマスコミ等で報道される。市教育委員会が「川崎市市民ミュージアム改善委員会」を設置する。
2005年 – 「川崎市文化芸術振興条例」が制定される。川崎市博物館振興財団と川崎市生涯学習振興事業団が統合され、財団法人川崎市生涯学習財団となる。漫画作品・資料収集、企画展示等について、第9回手塚治虫文化賞特別賞を受賞する。
2007年 – 「映像の現在形 2007「映像の創出 ‒ イメージと装置」」を催す。
2014年 – 「蘇ったフィルムたち~東京国立近代美術館フィルムセンター復元作品特集」を催す。
2017年 – 指定管理者制度導入(アクティオ株式会社・東急コミュニティー共同事業体)。
2018年 – 映像アーカイブ活用と新たな展開2018(公開セミナー)開催。
2019年 – 台風19号(10月12日)による浸水被害を受け、地階の全設備機器と収蔵庫内の23万点近い資料のほとんどが被災したため休館し、多くの博物館活動を中止。排水作業完了後、川崎市より文化庁に技術的支援要請を行い、同庁文化財等災害対策委員会の支援が決定され、国立文化財機構等を通じて派遣された多くの専門家がレスキューに取り掛かる。
2020年 – 被災収蔵品の収蔵庫からの搬出が完了する(6月19日)。
地理的及び文化的背景:
京阪工業地帯に位置する川崎市は工業都市として発展してきた。川崎市市民ミュージアムは市のほぼ中心の中原区、多摩川沿いの等々力緑地に位置し、写真・漫画・ポスター・映像といった複製芸術・大衆文化の収集・展示に力を入れる最初期の複合施設の一つとして、文化の地域発信を目指している。映画部門は独立プロ作品、記録映画、ニュース映画を中心にコレクションを構築する。コミュニティシネマセンター会員。
典拠となる指令/資料:
【川崎市市民ミュージアム条例 – 1987年12月22日】
第1条 考古、歴史、民俗、美術、映像等に関する資料及び作品について収集、展示、調査研究等を行うこと等により、市民の観覧、学習、研究等に資するとともに市民相互の交流を推進し、もって市民の教育、学術及び文化の発展に寄与するため、川崎市市民ミュージアムを設置する
【川崎市市民ミュージアム条例施行規則 – 2010年3月31日】
【川崎市文化芸術振興条例 – 2005年3月24日】
【川崎市文化芸術振興会議規則 – 2005年9月15日】
管理組織:
学芸課に9部門(考古、歴史、民俗、美術文芸、グラフィック、写真、漫画、映画、ビデオ)が置かれていたが、後に博物館部門、美術館部門、庶務・広報部門、教育普及部門へと再編され、組織図に「映画部門」は存在しなかった(2016年度まで)。
記録管理方針:
取得方法は主に購入と寄贈・寄託による。所蔵資料の不燃化、デジタル化を進めている。映像内容の記述と目録化については、基本台帳の最小限の項目(計34)やドキュメンテーションの事例が次の論文に紹介されている。
濱崎好治. 民俗映像とアーカイブの現状と問題—川崎市市民ミュージアムを例に—. 日本民俗学264. 日本民俗学, 2010. pp. 147-148.
収集方針:
映画フィルムに関しては戦後の独立プロダクションによる映画とアニメーション映画が該当する。また、神奈川ニュース等のニュース映画や川崎市に関連した作品も優先的に収集している。
「年報(映画担当〔収集方針〕)」より
独立プロダクションの作品の収集を基本としているが、現在のところ新規収集は行っていない。
川崎市市民ミュージアム資料等収集委員会=全体で9名、内、映画=1名(2012年)。
建物:
建設費 約150億円。鉄筋コンクリート地下1階・地上3階、延床面積19,542平方メートル。俯瞰するとC字状になっており、シチズン(市民)、カルチャー、コミュニティ頭文字に符合する。前庭に世界で唯一保存されている日本鋼管(現JFEスチール)京浜製鉄所のトーマス転炉が産業遺産として展示されている。
[収蔵庫]
地下1階の収蔵庫は全部で9つあり、第9収蔵庫でフィルムを保管。35mm約430タイトル、16mm約200タイトルを収蔵。《室温17-18℃、相対湿度40-50%》。
[上映施設]
1階の映像ホールの座席数は270席(内、車椅子スペース4席)、35mm映写機はKinoton FP30D(速度可変ではない)。映写業務は外部委託。3階に40名収容のミニホールあり。映像ホールの利用者数は5,406人(2014年)、7,148人(2015年)、8,481人(2016年)、5,118人(2019年 *10月以降閉館)。
アーカイブズ及びその他の所蔵資料:
35mmおよび16mmポジフィルム約1,000本。当初メジャー作品は撮影所が川崎に近い日活のみ購入が認められていた。35mmは原則としてポジフィルムのみ所蔵する。未整理のフィルムも数多い。他、Umaticテープで収集した《地方の時代映像祭》の作品、記録映画保存センターから寄贈された牛山純一のTVドキュメンタリー800本等、ビデオ作品は6,000本を超え、神代辰巳の台本約80点、実相寺昭雄監督の資料一式等のノンフィルム・コレクションも加えると所蔵資料の総計は約1.2万点以上になる(総点数は映画が約12,200 12,500点、ビデオが約12,000 19,000点となっている。)。ナイトレートフィルムの所蔵は不明。
特色=独立プロダクション
[参考画像](2011年撮影)
[復元実績]
『東宮殿下歐洲御巡遊 御歸朝の実況』(1921)、『東久邇宮稔彦王殿下 臺湾御成』(1937)、『セレベス 海軍報道班員の報告 記録版』(1944)、『平和記念都市 ひろしま』(1948-1949)等。
検索ツール:
以前はウェブサイト上にデータベースが公開されていたが、現在、システム再構築のため公開を休止している。収蔵品については直接ミュージアムへ問い合わせること。
出版物等:
『川崎市市民ミュージアム 紀要』
『川崎市市民ミュージアム 年報』(PDFあり)
「ミュージアムニュース/ミュージアムカレンダー」年6回発行
『時代のいぶきを21世紀へつたえる 川崎市市民ミュージアム 総合図録』(1988)
『川崎市市民ミュージアム 収蔵映画図録』(1988)
『川崎市市民ミュージアム 映画・ビデオ作品収集目録』(1989)
「映画生誕100年博覧会ーシネマの世紀」(1995)
『嘘の色、本当の色 脚本家 荒井晴彦の仕事』(2012)
開館時間:
9:30~17:00(展示室入場は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日・国民の休日の場合は開館)、祝日・国民の休日の翌日(土・日の場合は開館)、年末年始
アクセス及び利用条件:
不明
・東急電鉄の協賛でDVD『温泉遊園地 多摩川園』を制作
・桃屋TVCMアーカイブ
1958年以来の株式会社桃屋のコレクションの寄贈を受け、文部科学省科学技術振興調整費戦略的研究拠点育成プログラムに採択され設立された慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC機構)と協力してこれらをウェブ上で公開した。
アクセシビリティ:
公共交通機関 最寄り駅 東急東横線・目黒線、JR南武線、JR湘南新宿ライン・横須賀線「武蔵小杉」よりバス10分。
トイレ5ヶ所、車いす4台、ベビーベッド2台、授乳室1室。
障害者手帳・身障者手帳・療育手帳、被爆者手帳等の無料各種割引料金を利用の場合は、生徒手帳・学生証・障害者手帳など、証明できる書類を提示することによって鑑賞料の免除あり。駐車場なし(有料の等々力緑地公園内駐車場を利用のこと)。
研究支援サービス:
1階映像ホールで映画の定期上映を行っている。一般600円。
ミニホールでのビデオ上映もある。
資料閲覧のための特別利用制度(原版使用)あり、有料(利用目的によって減免制度あり)。
複製サービス:
不明
公共エリア:
1階にミュージアムショップ(webショップ)やラウンジがある。
[作成日]
2014-06-25(初稿)
2020-06-27(最新版)
*次回改訂は2021年7月を予定しています。
[作成者]
映画保存協会
注記:
2014年、川崎市市民ミュージアム(映画部門)による監修あり[部分]。
記載項目は国際公文書館会議(ICA)の「ISDIAH アーカイブズ所蔵機関の記述に関する国際標準 第1版」日本語訳(国立公文書館 2010年)を参考にした。
情報源:
令和元年度 川崎市市民ミュージアム年報. 川崎市市民ミュージアム, 2019.(PDF)
平成24-30年度 川崎市市民ミュージアム年報. 川崎市市民ミュージアム, 2012-2018.
○ 濱崎好治. デジタルアーカイブのベストプラクティス「川崎市市民ミュージアム」の事例(<特集>デジタル映像アーカイブ). 情報の科学と技術 60(11). 社団法人情報科学技術協会, 2010. pp. 447-451.
○ 濱崎好治. 民俗映像とアーカイブの現状と問題ー川崎市市民ミュージアムを例にー. 日本民俗学264. 日本民俗学, 2010. pp. 138-159.
○ 濱崎好治. 未来をつくる「地域映像アーカイヴズ」を求めて. AURA167. フジテレビ編成制作局調査部, 2004. pp. 18-22.
○ 江口浩. 企画の見所/発掘された映画たち2010 川崎市市民ミュージアム 川崎市市民ミュージアムの映画復元. NFCニューズレター90号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 2010.
○ 特集 ドキュメント・川崎市市民ミュージアム改革の行方. ミュージアムマガジンDoME77. pp. 4-13., 22-33.
○ 暮沢剛巳. ミュージアムの評価と改革 川崎市市民ミュージアムは「改善委員会」で生まれ変わるのか?. 美術手帖 157(863)., ミュージアムX Vol.10. 美術手帖社, 2005. pp. 165-169.
○ 武笹和夫. 川崎市市民ミュージアムー改革の奇跡と展望ー. 社会教育 60(707). 財団法人全日本社会教育連合会, 2005. pp. 48-53.
× クローズアップ現代. どうなる わが町の美術館. NHK, 2005-02-22放映.
○ 川村健一郎, 江口浩. 川崎市市民ミュージアムの仕事(最終回). 映画論叢4. 樹花舎, 2002. pp. 60-66.
○ 川村健一郎, 江口浩. 川崎市市民ミュージアムの仕事. 映画論叢2. 樹花舎, 2001. pp. 60-65.
○ 濱崎好治. 川崎市市民ミュージアム10年の歩み. 映画テレビ技術 560. 日本映画テレビ技術協会, 1999. pp. 30-33.
○ 川村健一郎. 連載:フィルム・アーカイヴの諸問題 第18回 日本のフィルム・アーカイヴ1 川崎市市民ミュージアム・映画部門. NFCニューズレター18号. 東京国立近代美術館フィルムセンター, 1998.
○ 村田文夫. 川崎市市民ミュージアム. 月刊文化財. 第一法規, 1993. pp. 30-33.
○ 堀口昭仁. 日本のフィルム・アーカイブ政策に関する考察ー映画フィルムの法定納入制度を中心にー. 2011.
○印は映画保存資料室に所蔵があります。×印は未確認の資料です。
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