TOP > 映画保存とは > 映画フィルムの長期保存容器について
錆びてしまったフィルム缶の入れ替えについて時折お問い合わせをいただくことがあるのですが、小会の「映画保存リンク集」では以下をご紹介しています。
映画保存リンク集 > E. 関連企業 > 6. サプライヤー
6.1 ■ 株式会社足柄製作所
6.3 ■ その他
STIL Casing Solution
DANCAN CINEMA SERVICES
TUSCAN CORPORATION
フランス国立映画センター(CNC)、英国映画協会(BFI)国立アーカイブ、米国議会図書館(LofC)、ニューヨーク近代美術館(MoMA)映画部門はじめ世界の名だたるフィルムアーカイブ機関や映画会社が採用している STIL Casing Solution(本社カナダ、ケベック)の製品は、長らくとても人気があります。ほとんど劣化しないと言われるポリプロピレン製で、密閉度の低い(フィルムが呼吸できるような)設計、単価は35mm用1,000ft.で5ドル程度です。
そのほか、同じくポリプロピレン製で少し薄いDANKANやTUSCANの製品も広く採用されています(薄さのせいか蓋の部分がやや反ることがあるようです)。後者(TUSCAN)には持ち運び時の摩擦等で底の一部の破片がフィルムに付着するという欠点があり、それを防ぐためシリコン製のシートを敷くこともあるようです。以前はSTILにも同様の欠点がありましたが、現在では改良されています。
今回久々に調査をして、DANKANについては「東京光音」さんが国内で販売されていることが判明しました。
一方、日本の多くの公共フィルムアーカイブではメタル缶が使用されているようです。長期保存用としては「足柄製作所」さんが様々なサイズを販売されています。また、保存を重視する意味で中性紙のケースが使用されることもあります(輸送や持ち運びには不向きかもしれません)。
なお、視聴覚ライブラリー等のリール巻きの16mmフィルムに広く採用されている取手付きの正方形の縦置きケースは必ずしも長期保存向きではありません。
*STIL Casing SolutionおよびDANKANのフィルム容器、国産のアルミ缶(以上、35mm)、中性紙ケース(8mm)については「映画保存資料室」にサンプルがあります。そのほか映画フィルムの長期保存用の缶/容器についてご存知でしたら、ぜひ情報をお寄せください。お待ちしています。
作成日:2020年12月12日、最終更新日:2021年1月12日
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