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IMAGICA見学記

はじめに

2005年7月12日(火)、FPS一同10名は東五反田にある株式会社IMAGICAを訪問、現像所を見学しました。
11時に集合、まずは私達を引率してくださるイマジカOBの中村暢夫さんにご挨拶。中村さんは9月のFPS勉強会の講師もしてくださいます。そして中村さんから、本日所内を説明してくださる映画本部制作コーディネート部の渡邉登さんをご紹介いただきました。

最初に1階ロビーに展示してあるオプチカル合成機の前へ。合成したい字幕やマスクなどを貼る透明なガラス板をはさんで、
カメラと映写機がまっすぐ対峙しているこの機械、ひと部屋まるまる埋まってしまうぐらいのものすごい大きさです。今ではそのような合成はデジタル処理で行われるようになったため、役目を終え、このロビーで余生を送っているそうです。

一度外へ出て、現像所の棟へ。靴にシャワーキャップのような覆いをして中へ入ります。「この辺りは昔は4階以上の建物を
建ててはいけないことになっていましたが、いつの間にかその規制がなくなり、周りに高いビルが増えました」と渡邉さん。イマジカの現像工程はこのビルの4階から1階へと、流れるようにまとまっていました。

4階~パラ消し・タイミング・フィルムスキャニング~

エレベーターで4階へ。最初に見せていただいたのはコンピューターが並ぶ真っ暗な部屋。ここでは映像の傷をコンピューター処理で消す作業をしています。前後のコマから傷のない部分を切り貼りしたり、傷をぼやかしたりするのが基本的な工程。カラーは色情報があるけれど、白黒は全てグレーなので難しいとのこと、全て自動でやってしまうと、傷でない部分を消してしまうこともあるので、人間の目で確かめながらやらなければならないそうです。

次はタイミングの部屋の前でカラータイミングについて説明していただきました。「タイミング」とは私達が普段使っている意味ではなく、ネガフィルムからポジフィルムを焼く時に、演出に沿って色を調整していく仕事。ロケとセットがつながるシーンでも均質な色になるように、「夕景に」と言われた時に映画のイメージに合った色で現像できるように、タイミングマンは製作現場の意図を汲み取ることが大切な仕事の一つだそうです。

廊下を進んで今度は画像を加工する部屋へ。ここではまずフィルムをスキャニングして、画像を加工、それをフィルムに戻す(レコーディング)作業をしています。フィルムスキャナーはイマジカ自社製のもの、2K(横約2000ピクセル×縦約1500ピクセル)でだいたい2~3秒でスキャニングしているとのこと。最近ではアニメーションなど完成原版がデジタルデータで来ることも多くなっていて、そこからネガ→ポジ→プリントという工程でフィルム化をするそうです。

3階~焼き付け~

階段を下りて3階へ移動。フィルムクリーニングを経て、たくさんのリワインダーが並ぶ部屋の前へやって来ました。ここではネガを焼き付ける前の準備として、リーダーをつけたり、スプライス部分のつなぎ目の強度を確かめ、再度つなぎ直したりする作業を行っています。その奥がプリンタで焼付けをする暗室。ちょうどお昼休みで実際の作業は見られませんでしたが、壁に貼ってある標語に仕事の厳しさを感じます。

この辺りから廊下にたくさんの段ボール箱が。これは工場からやってきたフィルムを常温に戻すために置いているとのこと。段ボールの中には35mm4000フィートのフィルムが真空パックになって入っています。ちょっとぶつけたりすると、それだけで傷になってしまうので、慎重に丁寧に扱わなければならないそうです。

2階~現像~

2階は現像のフロア。最初に見せていただいた部屋には35mmと16mmの現像機がありました。他の建物にも35mmの現像機があり、イマジカ全体で1日に100本のプリントができるようになっているそうです。隣に移動すると、見たこともないような背の高いコアがリワインダーに。ここは70mmの現像をする部屋です。70mmの需要は減少傾向ですが、劇映画をIMAX化することが多くなっていて、その場合は35mmをデジタルデータにして粒子を細かくし、それを70mmに戻す、という大変な作業をされているそうです。逆に35mmより幅の小さい16mmはどうかというと、何とアニメ「サザエさん」はいまだフィルムで撮影しているとのこと。さらにハイビジョンと同じレベルの画質を再現できるスーパー16mm方式がCMの世界でますます使われるようになってきているそうで、フィルムはまだまだいろんなところで生きているんだなあと深く実感します。

1階~搬出~

1階には化学の実験室のような分析室があり、ここで現像液やフィルムの分析をしています。その隣はフィルムを搬出するための作業をする部屋。2階の現像室から流れてきたフィルムを各映画会社の缶に入れる工程です。フィルムをスッと切り、上から袋を取り出してサッと入れるすばやい手さばきに思わず感動して、じっと見入ってしまいました。ここから各映画会社のフィルム倉庫へフィルムが搬送されていきます。

試写室

一度ロビーへ戻ってその後3階の第一試写室へ。ピンク系の暖色の椅子が並ぶ室内はシーンとしていてとてもきれいです。ここはジョージ・ルーカスが、演出されたものが全て再現できるように、と定めた厳しい映写再生基準THXの認定を受けた試写室。特に音の面で優れているとのこと。実際に短い作品を上映していただきましたが、殴る時の「ガツッ」という音が本当に痛い!地響きする音の迫力に圧倒されました。

この後はわざわざご用意していただいたお弁当をいただきながら質疑応答。14時まで丁寧にお答えいただきました。中村さん、渡邉さん、どうもありがとうございました。

Language: English

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