TOP > プロジェクト > 災害対策部 / Film Salvation Project
災害対策部は、自然災害等の被害を受けた動的映像資料(映画フィルム/ビデオテープ)の救済および防災のための非営利活動(After 3.11: First-aid for Water-damaged Audiovisual Materials)を行っています。sos@filmpres.org
2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに生まれたNPO法人映画保存協会(FPS)の災害対策部は、映画フィルムやビデオテープといった動的映像資料の防災対策を提案し、災害時の救済を実践するために、日本国内で次のような非営利の活動を行います。
1) 動的映像資料の防災に関する情報提供・ご相談窓口の開設
2) 被災した動的映像資料の救済に対する直接・間接的支援
3) 被災した動的映像資料の簡易洗浄ボランティア
4) 被災した動的映像資料の取扱いや防災に関するワークショップの実施
以上の活動を通して関連する個人や団体と連携を深めながら、動的映像を文化遺産として守り残すことのできる社会を目指します。
FPSは2011年3月14日、株式会社東京光音・株式会社吉岡映像と3者共同で《映画フィルム救済・ご相談窓口》を開設し、「映画フィルム」「ビデオテープ」等、水損メディアの応急処置の方法を症状に合わせてご説明し、必要に応じて洗浄作業をお引き受けし(計200本以上を洗浄)、2011年8月の「映画の復元と保存に関するワークショップ」(京都)において最初の報告(東日本大震災に学ぶ〈1〉)を行いました。今後も被災した動的映像資料があれば、この窓口を通してをできる限り救済したく、2012年2月23日に《災害対策部》と改称。個人の方も収集保存機関の方も、メール/電話などで引き続き情報をお寄せください。
2013年2月には報告・上映・展示・ワークショップ(東日本大震災に学ぶ〈2〉)を行い、さらなる協力を呼びかけました。水損フィルムの取扱いや簡易洗浄に関する出張ワークショップは今後もお引き受けしますが、確実に扱うことのできるメディアは限定されます。映画フィルムとVHSテープにつきましては、研修を受けたボランティアがこなせるだけの数量を無償で洗浄いたしますが、それ以外のメディアや、テレシネ(フィルムのDVD化等メディア変換)は、有償とさせていただく場合もあります。また、紙資料やスチル写真(紙焼きのプリント)に関しては実作業をお受けすることができませんので、何卒ご了承ください。我々が扱うことのできない資料につきましては、他団体による救済サービス等をご紹介いたします。
⇒ 東日本大震災に学ぶ〈1〉アンケート結果
⇒ 東日本大震災に学ぶ〈2〉アンケート結果
ボランティア:鈴木 伸和(映画保存協会)
「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」助成事業(2012-2013)
株式会社ラッシュジャパン『チャリティポット』支援事業(2012-2013)
災害対策部のちらしをご用意しております(2019年11月デザイン改訂)
表面 | 裏面 ⇒ チラシ配布先および謝辞
メディアの種類 /年度 |
フィルム | VHS | VHS-C | 8ミリビデオ | Hi8 | miniDV | デジタルコンパクトカセット | メモリーカード | 計 |
2011-2012 | 119 | 56 | 0 | 10 | 5 | 14 | 20 | 0 | 224 |
2013 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
2014 | 0 | 2 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 12 |
2015 | 0 | 11 | 27 | 0 | 0 | 58 | 0 | 1 | 97 |
2016-2018 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2019 | 0 | 24 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
計 | 149 | 93 | 37 | 10 | 5 | 72 | 20 | 1 | 387(本) |
水損フィルム(8mm)の応急処置|その1:作業前の5つの注意点
First-Aid Treatment for Water-Damaged 8mm Films Step1. 5 Points to Check Before You Start from Film Preservation Society on Vimeo.
水損フィルム(8mm)の応急処置|その2:簡易洗浄
First-Aid Treatment for Water-Damaged 8mm Films Step 2. Simple & Easy Washing from Film Preservation Society on Vimeo.
水損フィルム(8mm)の応急処置|その3:乾燥
First-Aid Treatment for Water-Damaged 8mm Films Step 3. Drying from Film Preservation Society on Vimeo.
被災した家庭用ビデオテープの応急処置ガイド|その1:事前確認
First-Aid for Damaged Home Use Videotape Step 1. Assessment from Film Preservation Society on Vimeo.
被災した家庭用ビデオテープの応急処置ガイド|その2:簡易洗浄
First-Aid for Damaged Home Use Videotape Step 2. Simple&Easy Washing from Film Preservation Society on Vimeo.
被災した家庭用ビデオテープの応急処置ガイド|その3:組み立て
First-Aid for Damaged Home Use Videotape Step 3. Assemblage from Film Preservation Society on Vimeo.
[1]ホームムービーの被害にどう対処するか
ハリケーン・カトリーナが米国に大きな被害を及ぼした際、動的映像アーキビスト協会(AMIA)のHPに掲載された情報を和訳して2005年に公開したものです。
[2]水害を受けたフィルムについてのFAQ
同じく、ハリケーン・カトリーナが米国に大きな被害を及ぼした際、動的映像アーキビスト協会(AMIA)のHPに掲載された情報を和訳して2005年に公開したものです。
[3]視聴覚アーカイブの防災と災害復旧対策
“Film Preservation Handbook” Courtesy of SEAPAVAA
こちらは映画保存協会が賛助会員として加盟する東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ連合(SEAPAVAA)のウェブサイトに掲載されていた情報です。即座に使用許可をくださったSEAPAVAA理事の皆さまに感謝いたします。
[4]洪水や津波の被害を受けた《視聴覚メディア》の応急処置
"First Aid for Water Damage"
Courtesy of the National Film and Sound Archive of Australia
オーストラリア国立フィルム&サウンドアーカイブ(NFSA)のウェブサイトに掲載されている情報を参考に作成しました。翻訳および画像の使用許可をくださったNFSAのロッド・バトラー氏、ミック・ニューンハム氏、クエンティン・ターナー氏に感謝いたします。←現在は動画が削除されています。
[5]防災計画(オーディオテープ&ビデオテープ)
SPECS BROS. 社のウェブサイトから翻訳・掲載しました。
[6]水害対策 – KODAK社ウェブサイトより
KODAK社(US)ウェブサイトより以下を一部翻訳したものです。
[7]ビデオテープ保存のファクトシート
動的映像アーキビスト協会(AMIA)による『The Videotape Preservation Fact Sheets』の「Fact Sheet 13」の和訳です。
[8]ミック・ニューンハム氏によるワークショップ
オーストラリア国立フィルム&サウンドアーカイブ(NFSA)のミック・ニューンハム氏が動的映像アーキビスト(AMIA)会議の期間におこなったワークショップの模様です。
[9]自然災害により被災した動的映像資料の災害対策:~映画フィルム・ビデオテープ・光学ディスクの事例~
災害対策部の担当者(鈴木伸和他)の口頭発表の内容が『デジタルアーカイブ学会誌』(2巻 2018年 2号)に掲載されました。
被災した映像資料(映画フィルム/ビデオテープ)の救済ボランティアに取り組むNPO法人映画保存協会(FPS)の会員有志2名から成ります。必要に応じて、2名以外のFPS会員に声をかけて手伝ってもらうこともあります。また、会員外の多くの方からも、ご支援・ご協力をいただいています。
有料で受付けている映像関連企業(現像所等)はありますが、恒常的に無料で受付けている窓口は小会のみです。(2011年12月現在)
*もしほかに動的映像資料(映画フィルム/ビデオテープ)の救済活動をボランティアで行っている組織をご存知でしたら、ぜひお知らせください。連携を呼びかけたいと思います。
現場の安全が確保されましたら、至急、当窓口までご連絡ください。映像資料は対応が早ければ早いほど修復できる確率が高まります。
以下の5点をお知らせください。おわかりになる範囲で構いません。
皆さんにとって大切な資料であれば、内容を問わず受け付けます。小会では、家族の記録も地域や社会にとって貴重な文化財であると考えています。
自然災害による映像資料の被害であれば、どなたでも、どちらからでも無料でお受けします(ただし、ボランティアが対応できる本数には限りがあります)。
当窓口では動的映像資料(主に映画フィルムとビデオテープ)を扱っています。その他の資料をお持ちの場合は、相応しい組織・団体のご紹介に努めます。
応急処置(簡易洗浄等)はボランティアが対応できる限り無料で行います。
《出張ワークショップ》承ります。日程調整、開催規模、交通費、材料費(実費)等につきましては、お気軽にご相談ください。
こちらのビデオガイドをご覧ください。
こちら(8mmフィルムの箱・ケース)やこちら(被災したた映画フィルムやビデオテープ)の画像をご参照ください。
「災害現場で文化財(映画フィルム)を見分ける方法」の作成は中止となりました。
映画フィルム/ビデオテープは、たとえ一目見て無理かもしれないと思われる状態にあっても、部分的に救える可能性があります。決してあきらめず、ご連絡ください。
申し訳ありません、現物を見ないと判断することができません。数ヶ月〜数年前の物であったとしても決してあきらめず、ご連絡ください。
映画フィルム/ビデオテープが水損した場合は、ロール状のままくっついてしまうことがありますので、絶対にそのまま乾燥させないでください。濡れた状態で個々にビニール袋(もしあればジップロックなどのフリーザーバッグ)で密封し、さらに、ビニール袋を2~3枚重ねます。それをダンボール箱等に詰め、丸めた新聞紙等で隙間を埋めて発送してください。土砂に埋もれた映画フィルム/ビデオテープも、箱・ケースに付着した汚れを軽く拭き取る程度で構いません。可能であれば、クール便による送付をおすすめします。
映画フィルムというと、劇場公開用の映画を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、家庭用の映画フィルムも存在します。主に8ミリフィルムと呼ばれるもので、地域や家庭で1930年代〜1980年代まで広く使用されていました。
16ミリフィルムや8ミリフィルムは安全です。自然発火することはありませんので、ご安心ください。燃えやすいフィルム(ナイトレートフィルム)は1950年代まで世界中で製造されていましたが、ほぼ全て35ミリフィルムという形状です。1950年代以降は35ミリフィルムも安全な素材に切り替わりました。一般家庭にナイトレートフィルムはほとんど存在しません。
デジタル化すれば便利に視聴できますが、DVDもハードディスクも経年劣化しますので、永久保存はできません。デジタル化後も、オリジナルのフィルムは捨てず、大切に保管してください。
参照:「家庭でもできるフィルム保存の手引き」
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