防災計画(オーディオテープ&ビデオテープ)

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防災計画(オーディオテープ&ビデオテープ)

(翻訳・小川翔太 DRYDEN BLOG

火災・震災・台風・洪水・配線不良・配管損傷・直射日光・多湿な地下保管庫……

災害はいつどこでも起こりえます。磁気記録媒体は、残念ながら天災や人災の影響で容易に損傷を受けてしまいます。磁気テープは環境の変化や汚染にとても敏感です。いざ災害が訪れたときの被害は、一本のテープのみならず所蔵品全てまで脅かしかねません。災害が起こってから始めて防災計画を立てる、ということが往々にしてあるようです。しかし、災害時の混乱と損失に関する懸念のなかで、実際何をすべきか考えることは容易ではありません。被害を最小限に抑え、更なる損傷を与えないようにすることはもちろんですが、どこから手をつけたらよいのでしょう。どこに知らせればよいのでしょう。

ここでは専門家の経験に基づいて、災害時の被害を抑える提案をいくつか紹介します。

・防災計画の作成において最も大切なことは、≪簡潔さ≫です。災害時対処プランを事前に作成するにも、災害後にプランを実践するにも、≪複雑≫であることは、すな
わちわかりずらいことで、誤解を招きやすいということです。

・所蔵品のすべてに明確で読みやすいラベルを付けてください。磁気テープは、貴重なものでも未収録のものでも外見は同じです。

・テープの使用後は毎回しっかり巻き戻します。一番外側(災害時に最も損傷を受けやすい部分)が録画されている内容部分ではなく、リーダーやカラーバーなどの映像や音の確認画面になるようにしましょう。

・常に保護ケース、輸送ケース、あるいはアルバムに入れて保管します。

・ダンボールは、火や水に対してだけでなく重量に対しても脆弱なため保管には使いません。

・周囲の環境をよく確認しましょう。災害時に被害を起こしうる要因を探します。保管庫に通っている配管は何でしょうか(水道管、下水管…)。災害時にはどうやって遮断すればよいでしょうか。

・もっとも貴重な所蔵品は、床と天井からできるだけ遠く離れた場所に保管します。かけがえのないマスターテープは、配管の下には置かないでください。どんなことがあっても床の上に直接テープを置いて保管してはいけません。配管の下や床の上に保管されたテープは、災害時にはもっともはげしい損傷を受けることになります。

・もっとも貴重な所蔵品は、必ずコピーを作成し、マスターと異なる場所で保管します。すくなくとも所蔵品は分散保管してください。ほとんどの災害は局部的です。一回の災害ですべての所蔵品が失われないようにしましょう。

・オーディオテープ(音声のカセットテープ)は背ラベルが上を向くように垂直に立てて保管します。その他の姿勢で保管すると、ケースに溜まった水がカセットの内部に入る危険があります。

・災害時に担当者が迅速に現場に入れるように、最小限の装備を準備します。モップ、手袋、バケツ、エプロンに加え、ビニールシートがあると、保管棚に水などの汚染物質が流れ落ちるのを防ぐことができて便利です。

・緊急時の連絡先を保管場所に明確に掲示しましょう。スタッフのなかのキーパーソン(迅速に対応する知識と権限を持つスタッフ)や災害対処の専門家などの電話番号を掲示します。災害の対処にはスピードと的確な情報が不可欠です。

SPECS BROS. 社のウェブサイトから翻訳・掲載しました。原文の内容はその後、変更されています。
http://www.specsbros.com/disaster-recovery.html

Language: English

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