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なぜ、「台湾」が元気なのか

TOP > 映画保存とは > 台湾のフィルム・アーカイヴに突撃!

最近、映画保存の世界では台湾が熱い(と思う)。

まず、ちょっと古い情報で申し訳ないが、2006年10月17日、台湾で戦前の日本映画が大量に発見されたというニュースが報道された。新聞やネットでご覧になった方も多いと思う。台湾では、2008年(予定)の開館に向けて国立台湾歴史博物館の準備が進んでいる。「戦前の日本映画大量発見」は、その歴史博物館の所蔵資料として国がコレクターから買い取ったということだ。1930~40年代に制作されたとみられるフィルムは全部で168本。劇映画やアニメは日本国内で撮影された可能性が高く、記録映画には日本統治時代の台湾の風景が収められているということで、台湾にとっても貴重な映像資料である。

ということで、台湾歴史博物館の準備室が開設したサイトにアクセスしてみた。

驚愕。「こういう映画が見つかりましたよ」的情報ならどこの博物館でも掲載すると思うが、画像や映像(動画で閲覧可能)のほか、シナリオまで公開し、修復過程やデジタル化の進捗状況までアナウンスしていた。また、資料公開だけでなく、「フィルム修復の教育的意義」という映像保存の意味までページを割くという丁寧ぶり。修復されたフィルムからは、日本語がしっかりと聞き取れる。「なんだかなぁ…日本のフィルムなのに、ここまでして下さって。ありがとうございますホントに」という妙な気持ちになってしまった。

次に。

2006年のFIAF=International Federation of Film Archives(国際フィルム・アーカイヴ連盟)の秋季執行委員会が台北で行われた(11月19~21日)。この場で、百数本の映画のコピーを台湾の國家電影資料館に寄贈し、映像の保護と保存に貢献したとして、映画監督の侯孝賢が今年のFIAF賞を受賞した。

それはともかく、今回の会議に先立ち、台湾行政院新聞局(台湾の映画はこのお役所が監督している)の鄭文燦局長は18日の記者会見の中で、40億台湾元(日本円で約140億円超)をかけた「國家電影文化中心」(国家映画文化センター)の設立計画を明らかにした。年末にも準備室を立ち上げるとのこと。将来的には産業発展や人材育成、社会教育、娯楽の役割を果たす一大拠点=“電影的夢公園”(映画のドリームランド!)につなげたいと鄭局長は抱負を語っている。映画を産業面、文化面の両面から国家プロジェクトとしているアジアの国は、特に韓国の取り組みが有名だが、台湾もそれに追いつけ、追い越せとしているらしい。

ほかにも、鄭局長は、フィルム保存を将来の映画法改正のポイントにすると述べたほか、5年計画のフィルム修復や整理計画、映像教育の人材育成として10の映画の公開版権を購入し、一般や学校で上映する計画なども挙げていた。

現在の台湾はなぜ、こんなに映画に力を入れているのか。台湾人が特別映画好きだというわけでもないし、大陸(中国)に対するアイデンティティ主張としての政治的道具…というわけでもないようだ。楊徳昌や侯孝賢に代表される「台湾ニューシネマ」は確かに、台湾社会や台湾人の現実を見つめなおすのに一石を投じたが、こうした流れが映画+国家の動きにも影響を与えているのだろうか。

何はともあれ、映画、そしてその保存活動が活発な台湾。日本ももう少し元気になってくれたらなぁ、と隅々まで作り込まれたサイトを眺めつつ、そう思った。

中華民国(台湾)行政院新聞局 電影事業服務(映画事業のサイト)
http://info.gio.gov.tw/mp.asp?mp=2

台湾電影網(行政院新聞局が管轄する映画専門サイト。ニュース、レビュー、インタビューなど豊富な情報。英語ページもあります)
http://www.taiwancinema.com/welcome.htm

天野園子

メルマガFPS Vol.18(2006.11)より

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